747 ジャンボを作った男

と、いうわけで先日ちょろっと書いた747 ジャンボを作った男を読み終えたので少しだけ感想をメモ書き。


飛行機好きならもちろん、普段飛行機に乗らないような人でも名前とその姿は知られているくらい有名であるBoeing 747の親とも言えるべき存在であるこの本の著者、ジョー・サッターの人生は解説にもあるように"まったくもって、なんとうやらましい人生であろうか。"と誰もが言ってしまうくらい羨ましい人生を送ってます。
少年時代から飛行機に憧れ、ボーイング社に入社後は数々のプロジェクトに関わり経験を積み、若年ながら747という大プロジェクトのリーダーへの抜擢、そしてその成功という、自分の好きなことを続けることが出来たこととそれによって世界を変えることが出来たことという人なら誰もが経験してみたいということを見事に達成しています。何とも羨ましすぎる。
もちろん747が世界の空を飛ぶまでには、数々の技術的問題、上層部との政治的な駆け引き、2707といったライバルの存在、パンナム航空やP&Wなどの外部との問題など越えなければいけない山や海があったわけなんですが、それを著者やその部下たちが解決していく姿が生き生きと描かれているのもこの本の醍醐味かもしれません。


最後に著者のあとがきからちょろっと引用。

ボーイング社の最悪のときに着手した747はまさに大きな賭けだった。この取り組みのリーダーに選ばれたことは本当に幸運だったと思っている。キャリアの頂点というだけではない。それが子供のころからの夢そのものだからである。

747の開発を苦に思ったことは一度もない。それどころか、最高に楽しい毎日だった。

子どものころからの夢を実現できるということは人生最高の幸せの一つであると思います。
読んでいて気持ちのいいサクセスストーリーとして、読んでおいて損はない一冊ではないかと。


あ、冒頭の写真はシアトルの航空博物館に行ったときに撮った747の記念すべき一号機、N7470 City of Everettです。