マクドナルドについて考えてみた

このところ迷走気味のマクドナルドが話題にのぼることも多いですが、個人的な観測範囲内で考えたこうしたら良いんじゃないか案をさくっと書いてみます。

 

あくまでも自身の観測範囲内でのことなので店舗によって大きく差は出るかと思うのですが、都内の店舗に限定した場合、大体の店舗がピークタイムでなくてもレジの前には多少の列があり、店内で食べようと思うときは事前に席が空いているか確認する必要があるほど混み合っている店舗が多いと思われます。

傍目から見たら繁盛している店舗であり、正直なところこれで業績が不調で〜という話になると根本的なビジネスモデルがどっかおかしいと言わざるを得ないです。

人が沢山来ているのに儲からないとなると単純に考えれば客単価を上げるか、回転率を上げるかのどちらかを行うのが定跡かと思いますが、そのどちらもイマイチ上手くいってない感触です。

 

まず現状のメニュー構成を見たときに、一般的にはちょっと高く感じる500円以上のセットメニューとデフレの象徴とも言える100円・120円商品が混じっています。

また都内の店舗を見たときに、ここ数年マックカフェといった新しいコンセプトの店舗に順次改装されてきており、オシャレなカフェになってきています。

ここに店内は混み合っているのに儲からないという原因の一つがあり、100円のコーヒー1杯で長居出来てしまう(長居したくなるようなくつろげる空間をわざわざ提供している)為、客単価は低いのに回転率は非常に悪い、他の客は席があいてないから他の飲食店に行ってしまうという負のスパイラルが出来上がってしまっている気がします。

 

ちなみに余談なのですが、これは日本のスターバックスにも似たようなことが言えると思っていて、カフェなのに席があいてなくて入れないというよくわからない現象を起こす位なら、100円とか200円コーヒーに上乗せしても良いから行けば確実に30分は座れる位の環境を提供して欲しいと思います。スターバックスのコーヒーのあの価格にはもちろん上質なコーヒーを提供するために必要な対価という面もありますが、自宅でも諸ky場でもないサードプレイスを利用するための対価も含まれているはずなので、日本の都市部の高いコーヒー買ったけど座れない現象はスターバックのコンセプトすら破壊していると思います。スターバックスの場合はコーヒーとしてはわりと高めな価格帯なので、多少価格を上げた所で解決策になるかどうかわからないですが、何とかして解決して欲しい問題かと思います。

 

で、マクドナルドの話ですが、もし仮にマクドナルドがファストフードとして攻めの姿勢を見せていくのであれば、ライバルは所謂牛丼チェーンのようなところであり、300円以下で店に入ってから10分以内には退店している位の回転率を達成する必要があります。

つまり、商品は価格も安く作るのが簡単な100円・120円マックのみを提供し店内もマックカフェみたいな長居できる内装は辞めて、立席だけにしちゃうとか、場合によってはテイクアウトのみ扱うとかそういう方に振る必要があります。

 

そういうのではなくもっと客単価をあげていきたいんだという場合は、現状の低価格帯の商品は一切取りやめ、500円以上のセットメニューも更に高めの価格帯にあげておく、店舗の内装に関しては現状のマックカフェ、もしくはそれ以上こだわり、自身の商品を存分に味わえる空間を提供するという方向に切り替える必要があります。仮にこっちの方向だと、戦略的にはハンバーガーチェーンだとモスバーガーフレッシュネスバーガーとか、更に価格をあげるとクア・アイナとかに近い感じでしょうか。

 

この2つの方向のうち、どちらが良いかについては実際のところ同じチェーンでも店舗によって違いがあると思っていて、ざっくり都市部と地方、更に言えばイートインかテイクアウトなのかの客の比率によってとるべき方向が定まってくる気がします。

 

都市部に関しては実際のところ低価格帯の飲食は捨てるほど溢れており、コストパフォーマンスで劣るマクドナルドが攻め入る余地はちょっと厳しいのではないかと思います。お腹の足しになれば良いっていう需要であればマクドナルドより安い飲食店は沢山あり、同じくらいの価格帯ではわざわざ混んでいるマクドナルドに行く理由は弱いです。

そこに参戦するよりは、モスバーガーフレッシュネスバーガー並の価格帯で提供し、くつろげる雰囲気の店内で味わってもらうという戦略のほうが、来客の数は減りますがその分客単価が上がるため、仮に回転率が更に下がったとしても十分ワークするのではないかと思います。都市部でここのジャンルに参戦した場合は、先ほどのハンバーガーチェーンの他にも小規模なプレミアムバーガーを提供する店舗などとも戦うことになりますが、現状のマクドナルドの資金力と商品開発力を考えれば圧勝はできなくても負けることはまず無いのではないかと思います。

従来のファストフードのイメージなんて捨ててしまい、カジュアルに楽しめるプレミアムバーガーみたいなコンセプトで駅前にオシャレなカフェを展開すれば良いのではないでしょうか。

 

逆に地方の店舗、特にドライブスルーなどのテイクアウト率が高く、イートインの比率は低いような店舗は上記みたいな施策をしても誰も寄り付かないようになるだけなので、手間のかかる高価格帯の商品は一切取り扱わず、現状の100円マック+αくらいに限定してひたすら薄利多売を目指すべきです。メイド・フォー・ユーとかも辞めて、頼んだら10秒後位には出てくる位の速さで。ポテトも一緒についてきちゃう位の。地方の場合は低価格飲食店の選択肢は少なく、同じ価格帯かちょっと高め位で、頼んだら最速で出てくる、かつ味は均一というメリットに対する需要は十分にあるかと思います。

 

またこの二つの方向を同じブランドでやるのはちょっと厳しいかもしれないので、何らかの形でブランドを分けたほうが良いかもしれません。

どちらかにマクドナルドのブランドを使うのか、それとも両方新しいブランドをつけてあげるのかはわかりませんが、個人的には既にファストフードのイメージが強いマクドナルドを地方の格安店、都市部のプレミアムバーガーの方はマックカフェか別なブランドを付けて別物として展開するのもアリかと思います。

 

おそらくマクドナルド側でもこのようにつらつら書いていることは既に把握していて、一部は少しずつ動き出しているような印象は伺える為、何年かすればそういう形になるとは思います。批判を恐れてないのか、じわじわとやっている感じですが、こういうのはさくっとマイルストーンを発表して一気にやってしまう方が最終的な衝撃は少ないような気がします。勇気がいりますが。。。

海外のブランドなのにこれほど日本に馴染んでいるブランドはそう数多くはないので、ぜひとも上手くいって欲しいと思います。